公的介護保険と民間介護保険の違い|必要な人と併用の考え方
創業45年以上の保険代理店として、現場の保険募集人が監修・執筆する編集部。相談実績2,000件以上の知見と、西東京市における地域密着の視点から、シニア世代の介護リスク相談に対応してきました。
「公的介護保険と民間介護保険、何が違うの?」「両方必要なの?」——介護の備えを考え始めた方から必ずいただくご質問です。
本記事では、両者の違いを一覧表で分かりやすく比較し、公的だけでは足りない部分と、民間介護保険を検討すべきケースを、創業45年の地域密着代理店の視点で解説します。
結論|違いは「サービス」か「現金」か
公的介護保険=現物給付(介護サービスそのものを1〜3割負担で利用)
民間介護保険=現金給付(一時金・年金を受け取り、使い道は自由)
つまり民間介護保険は、公的でカバーされない食費・居住費・保険外サービス・家族の負担にお金を充てるための備えです。
1. 一覧表で比較|公的 vs 民間
| 比較項目 | 公的介護保険 | 民間介護保険 |
|---|---|---|
| 加入 | 40歳以上は強制加入 | 任意 |
| 保険料 | 所得等に応じて決定(年金天引き等) | 年齢・保障内容で決定 |
| 給付の形 | 現物給付(サービス利用) | 現金給付(一時金・年金) |
| 給付の条件 | 要支援1〜2/要介護1〜5の認定 | 要介護2以上等(商品により独自基準) |
| 自己負担 | サービス費の1〜3割 | なし(受け取ったお金は自由に使える) |
| 使い道 | 介護サービスに限定 | 自由(食費・住居費・家族の生活費等) |
| 40〜64歳の給付 | 16種類の特定疾病に限定 | 原因を問わない商品が多い |
| 運営 | 市区町村(介護保険法) | 民間の生命保険会社 |
2. 公的介護保険の基本|40歳以上は全員加入
介護保険法(1997年制定・2000年施行)に基づく公的介護保険は、40歳以上の全国民が加入する社会保険制度です。年齢によって2つの区分に分かれます。
| 区分 | 第1号被保険者 | 第2号被保険者 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 65歳以上 | 40〜64歳 |
| 受給条件 | 原因を問わず要支援・要介護認定 | 16種類の特定疾病による要介護認定 |
| 保険料の納付 | 原則、年金からの天引き | 健康保険料と一緒に納付 |
| 保険料の決まり方 | 市区町村が3年ごとに基準額を設定し、所得段階別に決定 | 加入している医療保険の算定方法による |
サービス利用時の自己負担は所得に応じて1〜3割です。合計所得金額160万円以上かつ年金収入+その他の合計所得金額280万円以上(単身世帯の場合)で2割、合計所得金額220万円以上かつ340万円以上(同)で3割となります。
出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」「介護保険の保険料(第1号被保険者)」
3. 要介護認定の流れと区分支給限度額
介護サービスを利用するには、市区町村への要介護認定の申請が必要です。西東京市では市役所「高齢者支援課」が窓口となります(最新の窓口は西東京市公式サイトでご確認ください)。
- 市区町村窓口に申請(本人・家族・地域包括支援センターが代行可)
- 認定調査員による訪問調査
- 主治医意見書の作成
- 一次判定(コンピュータ)→ 二次判定(介護認定審査会)
- 認定結果の通知(申請から原則30日以内)
認定を受けると、区分に応じて1か月に使えるサービス費用の上限(区分支給限度基準額)が決まります。
| 区分 | 状態の目安 | 区分支給限度基準額(月額) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 日常生活はほぼ自立 | 50,320円 |
| 要支援2 | 一部介助が必要 | 105,310円 |
| 要介護1 | 立ち上がりに介助 | 167,650円 |
| 要介護2 | 食事・排泄に一部介助 | 197,050円 |
| 要介護3 | 立ち上がり・歩行が困難 | 270,480円 |
| 要介護4 | 日常生活全般に介助 | 309,380円 |
| 要介護5 | 意思疎通も困難・寝たきり | 362,170円 |
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム|サービスにかかる利用料」(地域による調整あり)
この上限を超えて使った分は全額自己負担になります。ここが、次に説明する「公的でカバーされない費用」の中心です。
4. 公的介護保険でカバーされない費用
公的介護保険は手厚い制度ですが、以下は自己負担になります。
- サービス費用の1〜3割(所得に応じた自己負担)
- 施設の食費・居住費(特別養護老人ホームで月7〜13万円程度)
- 差額ベッド代・個室料
- 区分支給限度額を超えた在宅サービス費(超過分は全額自己負担)
- 保険給付外サービス(配食・見守り・家事代行・移送など)
- 家族の介護離職による収入減
生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によれば、月々の介護費用は平均9.0万円(在宅5.3万円/施設13.8万円)、住宅改造や介護ベッド購入などの一時費用は平均47.2万円、介護期間の平均は55.0ヶ月(4年7ヶ月)でした。単純計算でも総額500万円を超える計算になります。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」(2人以上世帯)
5. 民間介護保険の3つのタイプ
民間介護保険は、給付のきっかけ(給付トリガー)と受け取り方によって、大きく3つに分けられます。
| タイプ | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| ① 公的介護保険連動型 | 要介護2以上など、公的保険の認定を給付の条件とする | 判定基準が明確で安心したい方 |
| ② 独自基準型 | 保険会社が定める独自基準で給付を判定 | 軽度の段階から備えたい方 |
| ③ 一時金+年金タイプ | 所定の状態で一時金、その後は年金として受け取る | 初期費用と長期費用の両方に備えたい方 |
受取方式も「一時金型」「年金型」「併用型」に分かれます。施設への入居一時金が必要なケースでは一時金型、長期の在宅介護では年金型が向いています。給付条件は商品ごとに大きく異なるため、必ず「ご契約のしおり・約款」で確認してください。
6. 民間介護保険が向いている人
| タイプ | 理由 |
|---|---|
| 貯蓄で介護費用を賄うのが不安な方 | 一時金・年金でまとまった資金を確保できる |
| 子どもに金銭的な負担をかけたくない方 | 介護費用を自分の保険でまかなえる |
| 施設入居を希望する方 | 食費・居住費など公的対象外の費用が大きい |
| 認知症が心配な方 | 認知症保険との組み合わせで早期から備えられる |
逆に、十分な貯蓄があり、介護費用を自己資金で賄える方は、必ずしも民間介護保険が必要とは限りません。
7. 加入のタイミングと保険料の考え方
民間介護保険は50〜60代での加入が中心です。年齢が上がるほど保険料が高くなり、健康状態によっては加入できない場合もあるため、退職前後で検討する方が多くなります。
- ☐ 給付開始の基準——要介護2以上か、要支援からか
- ☐ 終身か定期か——終身は保険料が高いが一生涯の保障
- ☐ 保険料払込免除——所定の介護状態で以後の保険料が免除されるか
- ☐ 認知症への備え——認知症の診断で給付される特約の有無
ご両親の介護が始まったタイミングで、ご自身の備えを検討された60代のご夫婦がいらっしゃいました。「公的保険だけでは足りない費用が想像以上に多い」ことを実感され、元気なうちに加入を決断。要介護2以上で年金型の給付を受けられる設計を選ばれました。
※保険料・給付額はご年齢や商品により異なります。
8. 併用するときの考え方
公的と民間は「どちらか」ではなく「公的を土台に、足りない分を民間で補う」のが基本です。
- 公的介護保険——介護サービス費用の7〜9割をカバー(土台)
- 貯蓄——自己負担分の一部を賄う
- 民間介護保険——食費・居住費・保険外サービス等の不足分を補う
公的介護保険の仕組み(要介護認定の流れ・区分支給限度額)は本記事の3章で解説しています。お住まいの保険料の決まり方は西東京市の介護保険料をご覧ください。
9. 検討する順番のおすすめ
限られた予算の中で保険を検討する場合、発生確率とダメージの大きさから、以下の順序が一般的です。
- 医療保険・がん保険——発生確率が高い
- 就業不能保険——現役世代は収入減のダメージが大きい
- 死亡保障——扶養家族がいる場合
- 介護保険・認知症保険——50〜60代で検討する方が多い
認知症に特化した備えは認知症保険の選び方、西東京市の保険料の仕組みは西東京市の介護保険料をご覧ください。
よくある質問
西東京市の介護保険相談はお気軽に
公的介護保険と民間介護保険は役割が異なります。「公的を土台に、足りない分を民間で補う」——この考え方が基本です。
ご家庭の貯蓄状況・ご家族構成・希望する介護のかたちによって、必要な備えは変わります。武蔵野組合保険サービスでは、複数社の介護保険を比較しながら、お客様に合った備え方をご提案します。
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